Kotone Note 琴音 すみっこ目せん

とけたチョコレート戦争 2023/07/26

皆さんいかがお過ごしでしょうか。
私はというと、これでもかと鳴り響くセミ達の声に夏本番を感じています。
最近も道を歩いていたところ、元気に鳴きまくっているセミに出会いました。
そのセミ、鳴き声こそ威勢が良いものの、上へ下へと不安定に飛んで今にも落っこちてしまいそうな様子でした。
あぁセミファイナルか…としみじみしたのもつかの間、突然先程までの飛び様が嘘だったかのような猛スピードで私の顔の僅か数センチ前を横切り、緑の生い茂る畑にダイブしていきました。
それはたまたまだったのか、最期の生き様だったのか。
後には静けさ、そして変わらぬ暑さが残っておりましたとさ♨︎
これもまた人生。いやセミ生。
琴音です。


さて、日頃冷たいものを欲するあまり、片っ端から食べ物を冷凍庫に入れてしまうこの頃。

先日冷凍庫に入れてあったチョコレートを食べようとしたところ、食べ物の入れすぎで発生した水蒸気によって半分程が溶けていました。

今年の夏もついつい欲張ってしまったと虚しくなっていたところ、とある紐付いた記憶が思い出されました。

折角なので溶けたチョコレートでも飲みながら幼少期のチョコ話を書き留めていきたいと思います。


それは小学生もギリ高学年あたりの頃。

その日は俗に言うバレンタインデーでした。

と言っても特に渡す相手もいなかった私は、同じ下校班の女子グループがキャピキャピしている様を眺めながら、いつも通り帰り道を歩いておりました。

気だるそうにトボトボ歩いている私が、まさか頭の中では給食に出たハート型チョコのことを考えていたなんて、当時の班員は誰も気づかなかったことでしょう。

そんなこんなで下校班が学校から数十メートル進んだ時、女子グループの中の1人Aちゃんが何やら可愛らしい包みを取り出しました。

中には数個の手作りチョコレート。

そして一層賑やかになるキャピキャピとヒソヒソ。

興奮のあまりほぼ普通の会話の音量になっているヒソヒソ話から察するに、Aちゃんが意中の男子B君(同じ下校班ではないが丁度通りかかったためこちらの班の男子達と話していた)に本命チョコを渡そうとしているようでした。

俄然華やかになっていく黄色い声達、その前方には全く気をとめず話しているB君及び男子グループ。

2組の間に透明の防音シートでも張られているのかと思いたくなるようなシュールな光景でした。

そして高みの見物をしていたぼっち勢の私としては、人間観察を円滑に行うべく空気と同化するよう努めておりました。

そうこうしているうち包みを握りしめたAちゃんが進み出て、B君に話しかけました。

いくらか軽く話した後、例の包みを差し出すAちゃん。

遠巻きに見ていた身としては何だかんだ受け取ってワーイという展開なのかなと思っていたのですが、B君はその直後「いやいいよ…」と受け取りを拒み始めました。

口調こそやんわりとしていましたが、割と素直なNOをくらってしまったAちゃん。

それに怒ったのは傍で見ていた残りの女子達。

頑張って作ったのに酷いやら、別に貰ってあげてといいじゃんやらとそれはそれは口々にB君を責めます。

女子達の勢いに飲まれそうなB君でしたが、ここで今度はB君の脇にいた男子達が受け取るか受け取らないかはB君の自由だと女子一同を責め始めます。

元より田舎っぺの小学生達ですから最初こそ穏やかめに話していましたが、双方水掛け論なため決着が付かず、どんどん語気も荒々しくなっていきます。

終盤には恥ずかしさからか泣き出してしまったAちゃんと溶けてきてしまったチョコレート、そして気まずそうなB君を端に、これだから女子はこれだから男子はともはや地獄絵図です。

各々の中心人物によって引き起こされ、大きくなっていくいわば合戦。

まさにチョコレート戦争。

両者言い分はわかる。両方に各々の都合や正義がある。でも双方どこか抜けている。

こうして争いは起こっていくのだという一部始終を、小学生にして身近に体験しました。

チョコレートを見ると時々過ぎるこの思い出。

いかがでしたでしょうか。

幼い子供達の失恋話かと思いきや、ある程度歳を重ねても未だ何が正しい、何が良しだったのかと考え込んでしまいます。

こうした小競り合いは、実は年齢や規模を問わず色々な場所で起こっているのかも知れません。


っはい!!
今回はこの辺で終わります。
ご清覧ありがとうございました!
また来週。