皆さんいかがお過ごしでしょうか。
寒さが染みるようになったこの頃。
駅前でティッシュ配りをしている人を見かけ、ふと学生の頃の挨拶週間を思い出しました。
これはいつもより早く登校して、寒空の下道路沿いの広くなっている歩道に並び、道行く車に向かって「おはようございます」と「行ってらっしゃいませ」を交互に叫ぶ謎めいた期間。
車内の人もまた十人十色で、ニコニコと会釈をする人もいれば、信号に止められ何となく気まずい顔をする人もいればと趣を感じておりました。
とはいえ1番は、それらの些細な楽しみを凌ぐ連日の寒さ。
寒さは時に、シュールな思い出を運んでくるのですね。
琴音です。


先日、先輩アーティストさんのライブを拝見してきました。

昔からお世話になっているアコースティックバンド「YKJ」の20周年ライブ。

メンバーのお2人と初めてご一緒させていただいたのは長岡にいた頃でしたが、上京してからも孤独を嘆く私を気にかけてくださり、度々ご飯に連れ出してくださっていました。

実は15周年の際には出演者として参加させていただいていた私。

出入口で20th Anniversaryと印字されたチケットを眺め、僅かな寂しさを感じました。

変わらず可愛がってくださる先輩方に甘え見て見ぬふりをしておりましたが、もうあれから5年という歳月が経っているのです。

そしてこの日は、時間の流れによる衝撃を色々な瞬間から感じる1日となりました。

特に印象的だったのはライブ中、ふと20周年メドレーが演奏された時のこと。

知っている曲によって自分達を知った時期が分かる、という話が冗談交じりに語られていたもので、私も耳をすませておりました。

結果、メドレーの8～9割目あたりで流れた2曲しか分かりませんでした。

なんということでしょう。

たしかに時期を考えれば当たり前かもしれません。

それだけ長い期間音楽を発信し続けてきた証拠なのでしょう。

ですが頭で納得する以上に、当時聴いていた曲達があっさり終わる様は衝撃でした。

つまりそれは、私にとって大きい存在だった時間が先輩方にとっては長い歴史の、ほんの一端だったということ。

きっと先輩方の時間軸で見れば、私など一時の存在でしかないということ。

にも関わらず、そんな小娘を気にかけ未だに連絡をくださっているということ。

先輩の優しさ、20年という長さ、自分のちっぽけさ、色々な感情が一気に巡り理由の定まらない涙が滲みました。

そして入り乱れる感情の後悟った、スタンディング力の劣化。

どんな長丁場なイベントも立っていられたはずなのに、今では始まって数時間で痺れだす脚。

私自身ワンマンライブをするようになったことで、昔より体力がついてきたと感じていたのですが、思い過ごしだったようです。

ライブが進む中、素敵な音楽に包まれながら同時に実感する自分の未熟さ。

それでも1番最後目に焼き付いたのは、キラキラした先輩方の姿とお客さんの楽しそうな様子でした。

いつになっても、憧れずにはいられない人達。

私もいつか誰かにとって、そんな素敵な存在になれるだろうかとしみじみしました。

来年の私は、音楽活動を始めて10年目になります。

まだ10周年も1歩先、それでも私にとっては人生の半分近く音楽活動をしていることになります。

これからどんなことがあるのか、自分が20周年になった時どんなことを思っているのか、憧れてくれる誰かはいるのか…。

考えるほど遠く感じますが、今よりもっと音楽を愛せる人になっていたいと感じたその日。

自分を奮い立たせる為にもこうした機会は大切ですね。


っはい！！
今回はこの辺で終わります。
ご清覧ありがとうございました！
また来週。