Kotone Note 琴音 すみっこ目せん

おののく一人旅 2022/08/10

皆さんいかがお過ごしでしょうか。
先日、3年ぶりくらいに祖母に会いました。
今まで一年に一度は会っていたので、久しぶりに会える喜びは大変なものでした。
いつ会えるのかと考えながら待ち続ける3年間は本来の時間以上に長く感じるもので、見た目や雰囲気などがとても変わっていたらショックだな…と思っていましたが、以前あった祖母そのままの様子で安心しました。
今後は無理のない範囲でなるべく会いに行きたいなとほっこりした気持ちになると共に、祖母には長生きしてほしいと改めて感じました。
琴音です。


先日実家に帰省した際、自分の日常生活の内容に触れ、もっと色々な経験を積むべきと家族から指摘が入りました。

今に始まったことではありませんが、何分引きこもりな上にビビりなもので、やってみよう精神が生活する上で少ないということでした。

その上で、日常の中で寄り道をしてみる・自分が怖いと思ったことにもなるべく飛びかかってみる・今はいいかなと思うことをあえてやってみるというのを増やすことを勧められました。

最近は多少出かけるようになったのだがな…と思いつつ、たしかにと思うところもあったので手始めにプチ一人旅を決行することにしました。



その日は午後から友人と遊ぶ予定があったので、午前中に待ち合わせ場所近くをひたすら散策することにしました。

待ち合わせは行ったことのない街だったので、その時点で方向音痴な私は迷子確定では?という不安が過ぎりましたが、とにかく辺りを歩き回りました。

しばらく同じようなところを歩いていましたが段々と飽きてきたので、そういえばエレキギターに興味が湧いてきたんだと思い出し近くの楽器屋さんに行くことにしました。

早速マップで検索し目的地を決めるもなかなか地図が上手く読めません。

目と鼻の先にある目的地の近くを歩き回り、20分ほどを費やして何とか到着することができました。

やっとのことで楽器屋さんに着くと、今度は店員さんに話しかけるというミッションが発生しました。

平然とした話し方をすべく、話しかけ方のプランを練っているといつの間にか隣に店員さんが立っておりました。

「何かお探しですか?」と穏やかに話す店員さんと対象的に驚きと急な緊張で冷や汗が出ました。

モゴモゴとしながらもエレキギターに興味が出てきて見に来てみましたと伝えると、まず自分の好きな音を見つけるのがいいと色々な音色のエレキを弾いてくださいました。

また普段パソコンで作業していると伝えると、それも加味した選び方を教えてくださったりもしました。

ただ見に来ただけの無知な自分に2時間弱細やかに話してくださりとても親切な人でした。

まず話しかけるところから躓いてしまった一人旅楽器屋さん編でしたが、最終的に店員さんの人柄に救われ、新たな知識を得ることができました。


続いて楽器店の近くにあった古書店に寄り本探しをしました。

小学生の頃などはミステリー小説や図鑑が一番の友達とばかりに15分休みも昼休みも図書室に走っていましたが、中学生高校生と徐々に疎遠になり、そのうち紙に書かれた物語は読んでも漫画くらいの状態となってしまっていたからです。

久しぶりに楽しそうな小説を見つけられればと思い行ってみるとミステリー小説の多いこと多いこと。

1冊250円のミステリーコーナーを何度も往復し、気になったミステリー小説をざっと取ってそのままレジに直行しました。

あまり古書店に寄ったことはなかったので、こんなに本が安く手に入るのかと驚きました。

思えばあの頃、図書室のドアを開けた時のような…もしくは沢山の棚の中から自分の好みにぴったりの本を見つけた時のような高揚感はこんな感じだったなと忘れていた感覚が戻ってくるのを感じました。

そして自分が小説から離れていた間に多くの作品が生み出されていたのだと、少しだけ時間の流れを憂いました。

そんな一喜一憂を経たところでようやく友人との待ち合わせ時間になりました。

大したことはしていないが新しい思い出を作ったと半ば終了モードになっていましたが、友人と合流後も経験を積む一日は終わりませんでした。

合流して早々昼食を食べようと近くのレストランに行きました。

そこではパンが食べ放題だったので、半日散策したご褒美ということにした私は美味しそうなパンを一通り皿に盛り付け満足した表情を浮かべておりました。

そんな中事情を知っている友人は、「今日は普段しないことをするんでしょ」と私が選ばなかったパンを全て取ってきて勧めてきました。

そして、別にいいとか美味しくなかったらなどと考える前に行動してしまえば意外と楽しめるものだと諭すように話してくれました。

気を抜いて自分好みのパンだけとってきたことがバレて気まずい気持ちになると同時に、友人とはいえ私の勝手にやっていることに対して協力しようとする真面目さに感心しました。

気まずさと痛いところをつかれてしまったという気持ちからどうしようもなく、結局私が選んだパンも友人が選んだパンも一つ一つ半分に切り分けて食べました。

友人がとってきたパンの中には葉っぱ系の何かが入っているであろう緑色の生地をしたパンなど、普段の私であれば絶対食べないというかむしろ嫌がりそうなものも入っており、一瞬ウッと感じそうになりましたが友人の言葉に習い口に入れてみました。

素材の味がするタイプのパンでしたがとてもフワフワしていて、葉っぱの風味も和菓子のようで臭みがなく、想像していたよりずっと美味しいと感じました。

いつもなら食わず嫌いをして食べなかっただろうなと思い友人に話すと、「そうでしょ〜」と得意げな顔をしており、この人は新しい経験を恐れないマインドを既に持っているんだと再度感心しました。

そんな昼食後も友人の真面目は続き、買い物などする中で何か私が気になることを話す度に「店員さんに聞いてみなよ」と私にとっては少々塩気のある対応を貫いていました。

友人…今日は何だか冷たいな…と寂しい気分を抱いては凹み、そんな自分自身に塩で縮んでいくナメクジが重なりまた凹みました。

そんなこんなで終わっていった一日、やはりいつもよりも疲労感がありました。

いつも音楽を聞いたり考え事をすることで防いでいた音や景色などの情報が一気に入ってきているようで気力を使いましたし、なんで自分は遠出をしてまで苦しんでいるのかと思った時間もありました。

ですが全て終わった後今日の出来事を思い出し、もし今日一日をただ部屋で過ごしていたらと考えると、良い日だったのは間違いないな…と思い直しました。

そして自分のために心を鬼にしていた友人を思うと勉強になる時間だったと思えました。

少しずつでもまた違う場所や違う経験を探しに行こうと思ったその日。

暫くは記念に買った小説達を読み、ずっと離れていた小説の世界に浸ってみようと思います。


っはい!!
今日はこの辺で終わります。
ご清覧ありがとうございました!
また来週。